un journal

「未知ある  陰ひとつない道歩く曇り空 君のさびしさはどんなさびしさ  く」

こんな日はあの鰯雲ぜんぶ撃ち落そうこのボトルロケットで  違和 し――詩モドキ3

 
違和
鳥の声が時間を止めた
しずけさの中でぼくは
ふかく息を吸ってから
本を開いたゆびさきが
かすり傷を負って
ページがめくれない
てのひらに息をふきかける
こんな日はあの鰯雲
ぜんぶに見下されていて
川べりにうかぶ
さびしさが嫉妬するようで
傷口からあふれ出る曼珠沙華
折り取って宙になげつければ
口ずさんだ詩句と一緒に
流れて消えてゆきました
そのままずっとすることもなく
芒のような眠たさで
流れてゆく日々や人々を
見ているとふと
通りかかった少年がそーだ
をぼくに差し出して
鰯雲の秋のわらい声
そんなのはぜんぶ撃ち落そう
このボトルロケットで
とは言わずに空に消え去って
気付いたら血は枯れて
そーだの味だけが
世界に充満しています