un journal

「未知ある  陰ひとつない道歩く曇り空 君のさびしさはどんなさびしさ  く」

二度寝して起きたら正午だった――短歌モドキ12

ニ時間の眠りの後に起きるだけでもひとは生まれ変わるのだろう早起きしすぎて春の正午のような感じのする夏の朝だった夏の朝に春の正午を感じつつ布団にくるまり二度寝せり二度寝して起きたら正午だったとうたう日光菩薩の詩よめり六月下旬の灰色の夕空はも…

シャターを切るようにうたを詠もうーー短歌モドキ11

シャターを切るようにうたを詠もう かなしさをさびしさにするためにまぶしくて耳をすませばあちこちでうたのシャッターを切る音がする志望動機の白紙のうえにも永遠の空虚はあるのだろうか夏空のもと座ってパンかじり 足元に集まる雀の声足下に飛びまどう蝶…

ゆるやかな夢の世界に二日酔い――短歌モドキ10

遠景に瞬間移動できるならそのさびしさも消えるのだろう〈美〉ではなくただの記号であるはずだ山の麓の街の姿はゆるやかな夢の世界に二日酔い なんだか世界が滅ぶ気がする朝起きてカフェオレからのしばらくが生まれた瞬間のように尊いわた雲に向かって飛び立…

風の日の友人と会った瞬間に――短歌モドキ9

風の日の友人と会った瞬間に煙のように詩想は消え失せ軽装で学校に来ただけなのに 衣替え? と二人に訊かれた持ち歩く本の厚さは世界の厚さ 薄雲の空を覆えり季節なき視覚世界の空虚さのそとからゆんゆんと電話鳴るそれだけでもう淋しいことだ 朝起きた世界…

夏空のそびえるような空虚さに――短歌モドキ8

川沿いに幻視した海かがやけり 青と金色のノクターン浴び読むことにしていた本が永遠の未来に逃れてゆく初夏だった言葉のない夏の空虚をふみしめて かがやく自転車の列を横切り夏空のそびえるような空虚さに祝福された横断歩道渡れりかぎりなく勝手な解釈で…

擦りガラスの外の景色が真っ青で――短歌モドキ7

短詩形の断片性が気に入ってもうずっと長い詩をかけずにいる五分前に生まれたとしても私は私のままなのだろう散歩しようも歩くたびに痛みだし目の前がひどく遠い夕暮れそびえたつ書物の塔と階段が世界のすべてならよかったのだけど擦りガラスの外の景色が真…

睡眠がひと本来の空虚なら――短歌モドキ6

暑くても散歩しないとどうにもだめだ 私が世界に追い付くためにさらってきた文学青年に尋ねよう 君の得意なレトリックなに教室の扉のむこうで話す声こわいこわい関わりたくない消滅と過剰のはざまでかくのだひとはそのたびごとの永遠のため余白がありトーン…

黄昏の ikb と混じりあう――短歌モドキ5

天空に聳える雲を友として黄昏時の郊外をありく空間は空を取り込み拡大し私はどこで何してるのか黄昏の ikb と混じりあう入り組んだ道の奥なる空間は夕空を取り込む空虚なのだろう黄昏時のブルーとピンクと黄金を包み込むのは紫の空虚 #今回のは昨日の散歩中…

いたいけな文学青年つかまえて――短歌モドキ4

いたいけな文学青年つかまえて気が狂うまで書かせてみたいわたしには書けない文を書ける人 無限に妬んだあとのさびしさ本棚に並べる本はいたいけな過去の文学青年のおとしものこの罰は誰が考えたものなのか毎朝鏡を直視すること呼吸すらまともにできないこん…

しぶきあび ikb に染まる服――短歌モドキ3

せつなさよりさびしさがすき読み終えた小説を読み返せず閉じ時の上に懸かった月を友としてとおい祭りの夜を想う平日の病院の食堂での午後は幸せであるべきだろうまぶしくて曇り空から目をそらし小雨ふりそそぐ橋渡りけりしぶきあび ikb に染まる服服の色を世…

無知のヴェールと宇宙人――哲学的思索モドキ

(まずはじめにこれから書くのは素人の素人による素人のための哲学的思索モドキであって哲学ではないっぽいとゆってあらかじめ予防線を張っておく.じっさい,これから書くのは今日の朝ぼんやりと考えてたこと以上でも以下でもない.) 言わずと知れた無知の…

夕立の,しぶきより,意識ふる――短歌モドキ2

まぶしさが網膜のように剥がれ落ち複製できない暗がりにいる郊外の無限へと続く長い道を見れればそれで満足だった外に出ようと思ったら夕立 意識はどこから降って来るのか幸福を幸福と認識した瞬間に訪れるさびしさよ失明も魔法のようになおるはず壊れためが…

TOEICと,自己啓発書と.

今から半年くらい前,TOEIC の勉強をしなきゃいけなかったのでしてたわけだけど,そのころの教材が今も本棚の中に不気味にたたずんでいる.友人の中には今から TOEIC を受ける人もいるので譲ろうと思ったりもしたけど,べつにいらないと先日,拒否された.そ…

聴覚の,くらやみに,音しぶき――短歌モドキ

見ることのできない顔で物語るボルヘスの書とホメロスの口真っ白なテーブルクロスの皿の〈肉〉 残酷にたべ残酷に去る生き物を軽視する文明のもとトレーニングルーム 死を想いつつ今日の気分を服で包んで隠そうもごまかしきれずあとでまぶさび空間から空間へ…

まぶさびー!

ここ数日で自分の感性がちょっと書きかわっちゃって危うくはじめたばかりのブログをやめてしまうところだった.いやたいしたことじゃないのだけど,まあ要するに篠原資明せんせーの『まぶさび記』を読んだわけです.篠原せんせーの著作を読んだのはこれがは…

ポエムいぜんに日本語文法むつかしいなあって

なんとなく小説(ひとに見せられるレベルじゃない)を書いてたら非文っぽい文章がどんどん出てきてこまった.いちおう日本語は母語なので非文っぽい文章とそうじゃない文章の見分けはついてるはずだけど,日本語文法ぜんぜん知らないのでなんでおかしいのか…

散歩すること

何年か前までは冬が苦手だった,というのも冬は夜が降りるのが速くて,学校がおわったらもう辺りはまっくらになっちゃうから.けれども最近は夏のほうが苦手で,それはけっきょく日の光が完全に消えるまでは,擦りガラスの窓の外にべつの世界が広がっている…

ポエムかきたいなあって

わたしは文学に普遍性を認めないというか,文学は普遍的なものを含みうるにしても,それは社会的文脈の中でとらえられるべきであって,特に文学に的をしぼって話しをする必要性を見いだせないと思ってるので,文学は私的なものでいいし,まったく価値のない…