un journal

「未知ある  陰ひとつない道歩く曇り空 君のさびしさはどんなさびしさ  く」

霧にしずむ――詩モドキ

 
まばゆい霧,の朝は
そのまま海岸,になった
窓のそとからやってくる波の
おと,がへやを水びたしにする
ひるがえるカーテンは
うみかぜのしるし
霧の中の無数のひとかげ
貝殻のかがやき,海のむこう側の島のかげ
これ,が,わたし,の求めていたもの
「そうかな」
「そうだよ」
波のおとに意識は一瞬のうち
明晰になりふたたび霧にしずみ
車輪のおとは,波のおと
これがわたしの求めていたもの
かけぶとんのうえの海風をあび
そだってゆくねむたさに
てのひらをのばせばこの幻想は終わる
だから,じゃあ,おやすみ
海底で,お会いしましょう