un journal

「未知ある  陰ひとつない道歩く曇り空 君のさびしさはどんなさびしさ  く」

風の日の友人と会った瞬間に――短歌モドキ9

風の日の友人と会った瞬間に煙のように詩想は消え失せ

軽装で学校に来ただけなのに 衣替え? と二人に訊かれた

持ち歩く本の厚さは世界の厚さ 薄雲の空を覆えり

季節なき視覚世界の空虚さのそとからゆんゆんと電話鳴る

それだけでもう淋しいことだ 朝起きた世界にひとが存在するのは