合宿中――短歌モドキ30
たった三日くらい
と言いつつも
たくさんの護身用の本を入れ
密 か
携帯の電波が届かない場所で
詩を書いている
あなたに
向けて
蚊 いて
就職の決まらなかった人形の少女
は市場で売りに出され
しよ 蛆よ
し
難しく
言うのが趣味
の
そこの本
そわそわしすぎ
付き合い
きれない
弓
え
父(自己啓発依存症)
がエックハルト読んでる
憑く 大丈夫かな
春 と
神社にて居眠中の
はぐれ猫
によってたかって
撫でる人たち
じん 蛇
のぼるのぼる
安土城の階段を四十分で
帰るために
阿 ずち
し
静やかな島の木の葉
に火を放ちすべてを
台無しにする
少女
魔
歌集を読む
のはハイセンスだと皆に敬遠される
合宿中
はい 扇子
踏切
を渡った先に神社を見つけて帰ってきて
まだ夏だ
わ 経った